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熱傷 オンラインジャーナル

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機関誌「熱傷」は46巻1号(2020年3月発行)よりJ-STAGEにて公開しています。
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日本熱傷学会多施設共同研究に関するお知らせ


一般社団法人 日本熱傷学会
代 表 理 事  仲沢 弘明
学術委員会                     
委 員 長  齋藤 大蔵


 本邦における各施設の広範囲熱傷患者数は,欧米と比較すると少ないといえます。したがって,臨床研究によって科学的なエビデンスを発信するためには,多施設共同研究を行うことが望まれます。そこで,日本熱傷学会では学術委員会を中心に多施設共同研究を実施していくこととし,最初のテーマを「初期輸液」として準備いたしました。
 広範囲熱傷の初期治療には血漿成分に近い乳酸加リンゲル液の急速大量輸液が必要不可欠であり,従来はバクスター公式(4 mL × 熱傷面積 %× 体重 kgを1日量とし,その二分の一を8時間で除した輸液速度で開始)に基づいて輸液を開始するというのが標準的な治療として世界的に定着してきました。しかしながら,この輸液法では必要以上の過剰な量が体内に貯留(fluid creep)し,その後の治療において重篤な呼吸障害や腹部コンパートメント症候群が発生するなどの病態増悪を認める場合があり,治療法として輸液過多をもたらすのではないかという意見があります。米国熱傷学会では初期輸液量を減じる方法が2010年に提案され,前述したバクスター公式の半分量から輸液を開始する治療法がAmerican Burn Life Support(ABLS)プロバイダーコース等のガイドラインで推奨されています。すなわち,2×熱傷面積×体重(mL)の半量を8時間で除した量の輸液速度で開始し,その後は適正尿量(0.5 mL/kg/h)を目標に,2時間ごと尿量を計測し,適正尿量より少ない(多い)場合には輸液速度を三分の一ずつ増加(減少)させるという初期輸液法です。しかしながら,ABLSで推奨されるこの治療法の根拠となるエビデンスはほとんどなく,本邦では主に輸液量不足による脱水の可能性が低い従来どおりの輸液法が行われております。そのため,日本熱傷学会では従来の輸液法か,米国が提唱している新しい輸液法のどちらが広範囲熱傷患者にとって有益なのかを決めるために,多施設共同前向きの無作為化非盲検比較対照試験を平成28年7月1日から開始することといたしました。
 参加を希望される施設の担当者は,平成27年10月31日までに学会事務局までメール(burn@shunkosha.com)でご連絡をお願いいたします。
 なお,本研究は一般社団法人 日本救急医学会との共同研究であることを申し添えます。ご理解とご協力を賜わりますよう,何とぞ宜しくお願いいたします。


多施設共同研究計画書



熱傷レジストリー年次報告

平成28年度 平成29年度 平成30年度 2019年度 2020年度 2021年度




熱傷レジストリーへの登録

本レジストリー参加施設へは、運用細則に従い匿名化された素データ供与が可能です。希望される施設は、運用細則を確認され、申請書により学会事務局まで、申請をお願い致します。

  1. 症例の入力方法および留意点


  2. 症例入力ページへ


  3. データの利用申請書
    データは登録施設のみ利用可。申請書に記載して事務局へFAXしてください。

レジストリー運用規則
レジストリー運用細則



  1. 熱傷レジストリー入力開始までに必要な手続き
    1. 現在のところ、登録施設は原則として熱傷専門医認定研修施設に限っております。


    2. 各施設・各診療科の登録責任者を定め、日本熱傷学会事務局(以下事務局、TEL:03-5291-6246、E-mail:burn@shunkosha.com)まで届け出てください。


    3. 届出のあった施設には、事務局よりID、パスワードおよび施設番号が配布されます。


    4. 上記を用いて、データベースの登録画面「TXP Medical(株) /患者症例登録フォーム」にアクセス可能なことをご確認ください。


    5. 実際に運用を開始する前には、各施設倫理審査委員会(もしくは同等の委員会)の承認を得る必要があります。審査を受け、承認されてから運用を開始してください。
      主管校である筑波大学医学医療系における学内倫理審査委員会(臨床研究審査委員会)の審査資料および日本熱傷学会が受審した第三者の倫理審査の資料です。参照してください。


    6. 【2023年 倫理審査資料】



  2. 倫理審査を受ける際の留意点
    1. 熱傷レジストリーへの症例登録事業は、疫学研究(観察研究)に該当します。


    2. 厚生労働省「疫学研究に関する倫理指針」をご確認ください。


    3. 熱傷レジストリーのデータベース(TXP Medical(株))では、各施設の登録責任者(ID、パスワードを配布された者)は登録画面から自施設のデータ登録および登録した データの検索・修正、データの一括ダウンロードなどが行えます。従って、自施設のデータベースとして利用することも可能ですが、各施設から他施設の連結可能匿名化データは一切入手できません。


    4. 事務局は、全施設の全データを閲覧・ダウンロードできますが、施設名は匿名化されています。施設名と施設番号の対応表は日本熱傷学会の責任下で事務局が厳重に施錠管理しており、データの修正・削除など、学術委員会がデータベースの管理運営上必要不可欠と認めた場合以外には誰も閲覧できません。


    5. 入力画面では、自施設の「施設内ID」(施設内個人識別番号)が自動で割り当てられるようになっております。下記を参考に、どのようにデータを匿名化するかを定め、各施設倫理審査委員会の承認を得てください。いずれの方法でも、自施設以外からは個人を特定不可能であることが必要です。
      1. 施設内IDを用いる場合
        名前や診療番号などの個人情報に対応した「施設内ID」(施設内個人識別番号)を作成し、施設の登録責任者(当該研究の個人情報管理者)が対応表を厳重に施錠保管することにより、連結可能匿名化を行います。
        施設内IDには、できるだけ特徴のないランダムな数列や文字列を用い、また同じIDを複数症例に割り当てないよう注意してください。一方向性ハッシュ関数などを用いて匿名化IDを作成すると、より確実です。
        以上により、各施設登録責任者は自施設が登録した症例を対応表により識別できる一方、データベースからは(事務局も)個人を特定できないことが必要です。


  3. 熱傷レジストリー登録画面「TXP Medical(株) /患者症例登録フォーム」への入力について
    1. 2023年4月1日以降に当該施設(または診療科)へ熱傷のため入院した症例が対象となります。全対象症例のデータを入力してください。


    2. 同一施設内で転科した場合にも、1症例(1登録)として扱い、転退院時に登録を完了してください。この場合、「入院の主目的」は入院時点のものを選んでください。


    3. ただし、同じ症例が入退院を複数回繰り返した場合には、別の症例として登録してください。あくまでも1入院1登録となります。


    4. 「施設名」として登録画面左上に施設コードが表示されますので、郵送された施設コードと同一であることをご確認ください。


    5. 「施設内ID等」に、名前や診療番号など個人を識別可能な情報およびこれを推測できる情報を入力しないようご注意ください(上記2-(5)項参照)。匿名化の不十分な「施設内ID」を用いたことによる情報漏洩については、各施設の責任となります。


    6. EDC操作手順書の記載・指示に従って入力をすすめ、「登録」してください。


  4. データの管理、個人情報保護について
    1. データの入出力、データの匿名化、各施設でダウンロードしたデータの保管・管理など、各施設内における個人情報の管理は、全て各施設の責任で行ってください。


    2. データベースに登録されたデータおよび解析のため事務局がダウンロードしたデータの安全管理は、一般社団法人日本熱傷学会の責任で行います。


以 上





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